神様って居るんだろうか・・・?

もし、居るのなら僕の願いを聞いて欲しい。

 

奇跡って起こるんだろうか・・・?

もし、起こるのなら彼女の病気を治して欲しい。

 

全ては愛する彼女の為に・・・・・

命の灯が消えようとしている彼女の為に・・・・・

そして・・・・・

僕に何が出来るんだろう・・・?

 

Pure Love

<前編>

 

ベッドの上でスースーと寝息を立ててる彼女に目をやった。

寝息を立てる彼女にホッと息を吐き、ベッドの端に座り彼女の頬に触れる。

温かい・・・・・

寝息も温かさも彼女が生きている証拠。

その度に僕は、心から安堵する。

彼女はこの世で僕が最も愛する女性であり、少し前に医者からガンを宣告された。

そして、残りの命が少ない事を知った彼女は僕の夢の為に、病気の事を黙っていた。

顔色も冴えなく、ふらつく彼女を心配して聞いてみてもいつも返ってくる言葉は同じだった。

『疲れてるだけだから心配しないで。』

彼女はそう言いながら笑みを零す。

だけど、僕はその笑みに不安を感じて彼女が診察を受け終わった後に部屋に入りそこに居た医師から全てを聞いた。

彼女がガンに侵されている事・・・・・

彼女の命が残り少ない事・・・・・

今、直にでも入院しなくてはいけない状態であると言う事・・・・・

そして、そんな状態の彼女が気力で頑張れるのは全て僕の為だと言う事・・・・・

ファッションショーより彼女が大事に決まっている。

今、直にでも彼女を入院させたかった。

だけど、医師は言った。

『全てはファッションショーを成功させる為、君の夢の為に彼女は今、生きているようなものです。

本当は私だって今、直にでも彼女を入院させたい。

しかし、それを奪うような真似は医者と言えど出来ません。

それは医者として失格かもしれませんが、彼女の瞳の輝きには逆らえません。』

苦笑いしながら優しい瞳でそう言う医師に僕はそれ以上何も言えず、

ファッションショー終了後に彼女を入院させる事になった。

そして、彼女は今僕の部屋のベッドで眠っている。

彼女が最後の時を過ごしたいと言った僕の部屋で・・・・・・。

一日のほとんどを寝て過ごす彼女。

僕は彼女が眠る度に怖くなる。

今は寝息を立ててるから生きている事が分る。

だけど、もしそれがしなくなったら?

そのまま2度と目を開けなかったら?

僕の頭の中にはいつもそんな事が横切っている。

だから、ちょっとしては彼女の様子を伺いに行くので今作っているある物が中々進まない。

それは、この世で彼女を最も美しくさせる物・・・・・

僕達を永遠に結びつけてくれる物・・・・・

眠る彼女の唇に、僕は自分の唇を重ねた。

 

 

 

ねぇ、未来ちゃん・・・・・

僕達は2人幸せになる為に生まれ、そして出逢ったんだよ。

君は死んだりしない!!!

君は・・・君は・・・・・僕と結婚して子供もいっぱいいて幸せな家庭を作るんだ!!!

だから、生きて・・・・・

君の為に・・・

そして・・・・・

僕の為に・・・・・


 

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